教授挨拶

信州大学医学部
内科学第二教室
教授

梅村 武司

令和2年(2020年)10月1日付で、田中榮司教授の後任として内科学第二教室の教授を拝命した梅村 武司(うめむら たけじ)です。約70年にわたる歴史と伝統ある教室を担当させていただくこととなりました。諸先輩方が築いた伝統を継承しつつ、若い先生方が十分に力を発揮できる明るく、開かれた教室に発展させたいと考えています。

当教室は消化器内科と腎臓内科を専門とし、それぞれの特色を生かし、お互いに協力しながら教育・診療・研究を担当しています。それぞれの方針について簡単にご紹介いたします。

教育について

教室員全員が学生、研修医、専攻医の医学的興味と特性を伸ばし、医療チームの一員として行動できるように屋根瓦式の教育を行っています。他の内科教室や関連病院と密な連携を行いながら、充実した学生教育、初期・専門研修を行える体制を構築してきました。その過程で豊富な医学的知識を深め、確かな医療技術を習得し、病気ではなく人を診ることができる、患者さんやご家族に寄り添える医師の育成に力を注いでいます。教室員がお互いの立場を尊重して、希望者の国内外への研修、留学、そして様々なライフイベントに対してきちんとサポートができる教室にしたいと思っています。

診療について

私たちは全身を診ることのできる内科医を目指しております。新内科専門医制度では内科全般を俯瞰できる医師の養成が重要とされており、社会のニーズを満たすことができると思います。また、消化器診療では「消化管」、「肝」、「胆膵」と細分化されていましたが、消化器全般の診療が行える消化器内科医の育成に力を入れています。将来的には地域医療で力を発揮し、重要な役割を担っていくと考えています。一方で各診療科へは県内外の医療施設から診断、治療困難例を多くご紹介いただいており、期待に応える様に常に先進的な専門診療を提供していくように努めていきます。

研究について

私たちは患者さんと向き合う中で生じた疑問点、問題点を探求するリサーチマインドを大切にしています。その疑問を解決するために一人一人の患者さんを長期にわたって診療をすることで、世界的に評価される臨床研究を発表してきました。今後もこの伝統を継承してエビデンスの高い臨床研究を展開していきます。また、臨床教室ならではの臨床検体を用いて、遺伝子解析、難治性疾患の病態解明、新規診断・治療法の開発に取り組んでいきます。私自身、20代で海外への留学をさせていただき、様々な経験を通して、常に世界に目を向ける必要があることを学びました。若い先生方には積極的に海外留学をして、帰国後に教室でoriginalityの高い研究を行って欲しいと思っています。今後は学内、国内外の教室との共同研究などを通して研究レベルの向上に努めて、患者さんに還元できるような成果を発信できるように努めていきます。

教室員一同、高い意欲と情熱を持った先生方が仲間に加わっていただき、一緒に教育・診療・研究に取り組んでいただけることを期待しています。