研修案内

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後期研修医募集について

診療科の特色

消化器内科

経皮的エタノール注入療法による肝細胞癌治療

消化器内科は消化器(肝臓、胆膵、胃、小腸、大腸)に発生する全ての疾患の精査・加療を行っています。
消化器内科は、肝臓グループ、胆膵グループ、胃腸グループに分かれ、それぞれの専門加療を行っています。


肝臓グループではウイルス性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、肝癌を中心とした各種肝疾患の治療を行っています。

胆膵グループはERCPを中心とした内視鏡診療に加え、膵石のESWL治療などを行っています。

超音波内視鏡検査

胃腸グループでは各種内視鏡検査や消化管腫瘍に対する低侵襲内視鏡治療、消化管悪性リンパ腫の加療などを行っています。また消化管アカラシアに対するPOEM(内視鏡下筋層切開術)などの先進的な治療も行っています。

様々な消化器疾患に対応できる消化器専門医を養成するため、入院加療に際しては肝臓・胆膵・胃腸の専門医をバランスよく 配置した消化器内科診療チームを構成し、片よりのない研修が可能となるような工夫を行っています。
消化器内科では、まずは総合的な消化器内科研修ののちに各専門グループに属し、より研鑽を深めることになります。

腎臓内科

腎臓:透析用内シャント作製

腎臓内科では急性腎機能障害や慢性腎臓病を来す様々な腎疾患の精査・加療を行っています。
また末期腎不全治療における腎代替療法として、血液透析・腹膜透析・腎移植を行っています。
腎機能障害をきたす病態としては、糸球体腎炎、ネフローゼ、膠原病などを起こす免疫異常の他、糖尿病、高血圧、高脂血症、高尿酸血症を起こす生活習慣病が挙げられます。そのため、免疫抑制療法や生活習慣病治療に習熟することになります。また、腎機能障害に合併しやすい電解質異常・酸塩基平衡異常・骨代謝異常・腎性貧血・心血管病なども学ぶことが出来ます。腎代替療法に関しては、透析患者や腎移植患者の内科的全身管理に加え、透析医療の実践に必要なバスキュラーアクセスの作成・管理といった腎不全外科領域も担当しています。急性血液浄化療法としては、特に集中治療室において、持続的血液ろ過透析やエンドトキシン吸着療法なども施行しているため、重症患者の全身管理も学ぶことが出来ます。

内科(2)教室

消化器内科・腎臓内科は内科(2)教室を構成しています。
診療科としては、それぞれの診療を行っていますが、消化器内科・腎臓内科合同のカンファレンスや学会発表のための予演などを頻繁に行っています。内科領域のかなりの範囲をカバーする専門医が揃っていますので、常に幅広い専門的意見を聞き勉強することが出来る環境を整えています。
一人の患者さんに起こりうる病態は非常に多彩で、一臓器の障害にとどまらないことが多くあります。
しかしながら、近年医療が細分化され専門分野しか診療ができない医師が増えていることが問題となっています。
我々が目指すのは、専門分野のみならず、まずは一内科医として、患者全体を診ることができる医師を育てることを目標にしています。

後期研修医募集について―専門研修の魅力

診療面

基幹病院である信州大学医学部附属病院においては、消化器内科・腎臓内科とも、主要学会の指導医・専門医が揃っており多くの専門的意見を効率良く聞くことが出来る体制になっているため、国際標準のエビデンスに基づいた専門的加療を学ぶことができます。また、長野県内で発生した、多くの難治性症例や複雑な病態の症例が信州大学には集まってくるため、外病院では経験できないような希少症例も経験することができます。さらに、専門医でないと行うことのできないような高度の診療手技も学ぶことができます。指導医や専門医の数も多いため、きめ細やかな研修指導が可能な体制になっています。
連携病院施設における研修においては、様々な内科系診療科をローテートすることになりますが、消化器内科・腎臓内科は長野県内のほぼ全ての主要病院へ常勤医師を派遣しているため、一貫性のある責任を持った指導が可能となっています。信大病院と連携病院との間に構築された緊密なネットワークにより、あらゆる場面に対応できる専門医を育成することが可能となっています。 また、内科(2)教室では他科との連携はもとより、自講座に複数の診療科を抱える強みを生かして、より機動的で、密接な連携のもと、大学病院に望まれる高度な医療を実践すべく臨床協力、臨床研究なども行っています。

研究面

研究面では、基礎的な研究の他、長野県に唯一の大学病院として「地の利」を生かした、臨床教室ならではの研究を行っています。長野県唯一の大学病院であり、長野県内の主要病院はほぼ全て信州大学医学部附属病院の連携病院であるため、症例が分散することが無く症例数は大都市部と比較しても遜色ありません。
また、長野県内の患者さんは移動が少なく、緊密な施設間ネットワークにより症例の追跡調査が比較的容易であることから、詳細な長期的観察研究が行いやすい環境になっています。
内科(2)教室は、複数の診療科から構成されるため、それぞれの専門分野が連携した研究も可能です。

取得できる専門医、資格など

昨今、大学病院も含めて、病院は競争の時代を迎えつつあります。この中で求められるものは、内科医としての基本的能力に上乗せされた専門的知識と技術です。
内科(2)教室では、消化器疾患・腎臓疾患診療における各種専門医の取得や、特殊技能の習得が可能です。
消化器内科、腎臓内科で取得可能な専門医および習得可能な特殊技能には次のようなものがあります。

消化器内科

特殊技能

ウイルス性肝炎の抗ウイルス療法、肝生検、肝癌に対するラジオ波治療、エタノール注入療法内視鏡的逆行性胆管膵管造影・ドレナージ術(ERCP,ERD),膵、胆道結石症に対するESWL治療消化管悪性腫瘍に対する内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術、内視鏡的粘膜切除術)、食道・胃静脈瘤の内視鏡的治療、カプセル内視鏡、ダブルバルーン小腸内視鏡

取得可能専門医

日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医、日本肝臓学会専門医・指導医

腎臓内科

特殊技能

難治性腎疾患における免疫抑制療法・薬物療法、腎生検、電解質・酸塩基平衡異常への対応 各種血液浄化療法(血液透析、腹膜透析、持続緩徐式血液濾過透析、血漿交換、二重ろ過血漿交換、血漿吸着、エンドトキシン吸着療法、白血球吸着療法、腹水ろ過濃縮再静注、薬物吸着療法など) 各種アクセス手術(経皮的血管拡張術、内シャント設置術、人工血管留置術、上腕動脈表在化術、腹膜透析カテーテル留置術など) 腎移植前後の免疫抑制管理

取得可能専門医

日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、血漿交換療法専門医、臨床腎移植学会腎移植認定医、日本移植学会移植認定医

サブスペシャリティー取得・学位取得への道筋

専門医資格取得までの年数

信州大学内科専門医研修プログラムの信大基本コースでは、subspecialtyの専門研修を内科専門医研修プログラム3年目(専攻医3年目、卒後5年目)より行います。
信大オプションコースでは、内科専門医研修プログラム3年目の時点でsubspecialtyを決定していない場合には、subspecialty専門研修は内科専門医研修プログラム終了後から始めることになります。
subspecialtyの専門医は内科専門医取得後に、一定期間のsubspecialty研修を終えた後に各種専門医を取得することになります。
(subspecialty研修期間や研修内容は各学会と日本専門医機構により規定されますが、2017年3月現在詳細が明らかになっていません。subspecialtyの専門医研修システムは、日本専門医機構の指導により構築の中途にあります)。

大学院への進学

信州大学内科専門医研修プログラムでは、大学院の進学は、内科専門医研修プログラムが2年修了した時点で、その専攻医の経験症例や臨床的技能・知識が内科専門医を取得するための基準を超えていると判断できる場合に、内科後期研修専攻3年目より大学院への進学が認められます。
大学院へ進学した場合には、大学院在学中の4年間の間に専門分野の研究と臨床研究を行い学位論文を作成し学位を取得します。学位論文の質が高い場合には、3年間で学位を取得することも可能です。また、大学院に在籍しつつもそれぞれの診療科において臨床経験を積み、各種専門医資格も取得します。

内科(2)教室への入局

信州大学内科専門医研修プログラムでは、信大基本コースを選択し、将来的なサブスペシャリティーとして消化器内科・腎臓内科を希望する場合には、内科専門医研修プログラムを申し込んだ時点で内科(2)講座に入局ということになります。信大オプションコースでは、研修プログラム管理委員会との協議により、ひとまず暫定診療科に籍をおくことになりますが、これは暫定診療科への入局を意味しません。信大オプションコースや信州大学内科専門医研修プログラム以外の研修プログラムを選択した場合には(基幹病院が信大以外の場合)、3年間の内科専門医研修期間中に将来的なサブスペシャリティーを決めることになります。
入局者は、医員もしくは大学院生として専門分野の研究、臨床研修を行います。
内科(2)教室では豊富な症例数や充実した教育体制を生かして学位や各専門医資格の取得を最大限サポートします。

各種専門医や学位取得後

消化器内科・腎臓内科の専門医・指導医・教育者・研究者として関連病院や信州大学に勤務します。
十分な臨床経験が備わり、本人が希望する場合には開業することもできます。
また、海外での研究を希望する場合には、海外留学することもできます。

大学院での研究テーマ、臨床研究のテーマなど

消化器内科指導教官: 梅村武司教授、城下智准教授、長屋匡信准教授、岩谷勇吾准教授

  1. 肝炎に関する研究(B型肝炎の抗ウイルス療法および再活性化、C型肝炎の抗ウイルス療法など)
  2. 肝癌発症機序の解明と治療
  3. 自己免疫性肝疾患の免疫遺伝学的解析と疫学
  4. 代謝性肝疾患(NASHとメタボリックシンドローム)
  5. 食道バレット腺癌に関する研究
  6. ヘリコバクター・ピロリ感染症に関する研究
  7. IBDにおける遺伝子研究
  8. 膵癌の分化誘導療法の基礎的検討
  9. 自己免疫性膵炎の病態解明

腎臓内科指導教官:上條祐司診療教授、橋本幸始講師

  1. 腎臓病における脂肪酸代謝(ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体)に関する基礎研究
  2. 慢性腎臓病における骨ミネラル代謝異常に対する新たな治療法の開発のための基礎研究
  3. 慢性腎臓病における心血管病発症機序および新規バイオマーカーの開発
  4. 慢性腎臓病における新規残腎機能バイオマーカーの開発
  5. 透析患者における潜在性結核に関する研究
  6. 慢性腎臓病や急性腎障害のリスク因子に関する研究
  7. 腎生検病理と予後との関連性についての研究
  8. 新たな腎代替療法(高効率on-line HDFやDC-KARTなど)の有効性に関する検討

国内留学・海外留学

内科専門研修プログラム終了後に個々の専攻医の希望と医局との協議により国内留学・海外留学に行くことが可能です。内科(2)教室では、留学の詳細についての統一的な取り決めはしていません。 そのため、留学時期は大学院在籍中に留学をする場合もあれば、大学院卒業後や医員・教官などの立場で留学する場合もあり様々です。また、個々の医師の希望を尊重し、留学先は臨床面、研究面において最適な留学先を個別に対応決定し、様々なケースに対処しています。
内科(2)教室では、グローバルな視野や国際標準の臨床医療・基礎研究を学ぶため、積極的に留学することをお勧めしています。

最近の留学先

国外

国立衛生研究所(米国)、ワシントン大学(米国)、トロント大学(カナダ)、エモリー大学(米国)
カリフォルニア大学サンディエゴ校(米国)、ヘルムホルツセンター(ドイツ) など

国内

都立駒込病院(東京都)、昭和大学江東豊洲病院(東京都)、虎ノ門病院分院(神奈川県)
横浜市立大学附属 市民総合医療センター(神奈川県)、愛知県がんセンター(愛知県)
佐久医療センター(長野県) など

将来の就職先など

就職、遠隔地への就職、開業などのサポート体制

消化器内科・腎臓内科の専門医や学位取得後は、指導医・教育者・研究者として関連病院や信州大学に数年間勤務しますが、その後は個々の医師が希望する特定の病院へ就職することも可能です。
内科(2)教室は、県内に多数の関連病院を有しており、消化器内科・腎臓内科に属する医師を定常的に派遣しているため、県内での就職の場合にはその就職先について十分な配慮が可能です。
県外などの遠隔地の病院の場合には、円滑に就職が可能となるよう医局を通じて紹介することもできます。
勤務医・開業医を問わず同門会としてサポートいたします(病気休業時の外来診療支援など)。

常勤医師派遣病院

第二内科症例検討会
2016年度医局旅行
  • 北信総合病院
  • 長野県立須坂病院
  • 長野市民病院
  • 長野赤十字病院
  • 篠ノ井総合病院
  • 信州上田医療センター
  • 国保依田窪病院
  • 丸子中央病院
  • 北アルプス医療センターあづみ病院
  • 安曇野赤十字病院
  • まつもと医療センター松本病院
  • 松本市立病院
  • 相澤病院
  • 長野県立木曽病院
  • 諏訪赤十字病院
  • 町立辰野病院
  • 伊那中央病院
  • 昭和伊南総合病院
  • 飯田市立病院

など

他の内科研修プログラム修了者や
奨学生の受け入れ

内科(2)教室では他の基幹施設で内科専門研修を終了し、大学院での研究・学位の取得や、各専門医資格の取得を目指す先生方を積極的に受け入れます。
また、長野県や市町村や様々な医療施設から奨学金を受け、研修場所や研修期間に制約がある先生方にも、個別に柔軟に対応致します。
内科(2)教室では、入局を希望する全ての医師に対し、大学病院ならではの豊富な症例数や充実した教育体制を生かして学位、各専門医の取得を全面的にサポートすることをお約束します。
また、県外に勤務しており、長野県内での就職を希望される先生方の相談にも積極的にのっておりますのでお気軽に声をかけてください。

連絡先

信州大学医学部内科学第二教室

住所:〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1
電話:0263-37-2634
FAX:0263-32-9412
E-mail:ninai@shinshu-u.ac.jp
U R L:https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-2nai/

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専門研修プログラムの詳細は、信州大学医学部附属病院HP卒後臨床研修センター
→専門研修[内科]を参照ください。